浮気&不倫誓約書を作成して再構築や将来の離婚を有利に進める方法

浮気&不倫誓約書を作成して再構築や将来の離婚を有利に進める方法

パートナーの浮気が発覚して相手が認めたときには、速やかに誓約書を書いてもらって証拠化しましょう!

不倫や浮気で誓約書を書いてもらうのは、最近では特に珍しいことではありません。謝罪も約束も口先だけでは意味がありませんし、口約束では後で揉めるだけ。100回の謝罪&口約束よりも、文書に限ります。

ここでは、不倫や浮気での誓約書の書き方や盛り込む内容、考え方などについて解説していきます。

浮気&不倫での誓約書はどんな目的で作成するのか

「初めての浮気だし、正直に話して謝ったから今回は許してあげようかな」と思っても、ほとぼりが冷めたら浮気を繰り返さないとは言い切れませんよね。また、今回は「離婚は避けよう」と判断した人の中には、仕事や経済的な問題、子供が小さいなどの理由で消極的な再構築もあるでしょう。

再構築が消極的であれ積極的であれ、浮気が2度目、3度目となれば、今度こそは離婚の可能性が高くなります。

浮気での誓約書を作成しておく目的は、主に下記。

  • 浮気の事実を認めさせる
  • 浮気相手との関係を解消させる
  • 言い逃れができない状況にする
  • 浮気・不倫がいかに重大な裏切りかを理解させる
  • 離婚する際の交渉カードにする

口約束ほどアテにならないものはなくて、たとえ今、パートナーがすごく反省をして態度を改めたとしても、それがいつまで続くのか保証はありませんし、そもそも証拠が残っていなければいつか「許した」「許してない」「言った」「言わない」「そんなことあったっけ?」と揉めるだけです。

浮気をされた側からすれば、1度は裏切られているわけですから、ちょっとしたことでも相手を疑惑の目で見てしまうようになりますよね。帰りが遅い日が続けば「浮気してるんじゃないか」なんて。

きちんと文書化しておけば、パートナーも言い逃れはできないですし、仮に再度浮気をされたとしても離婚を含めて損害賠償請求など有利に進められます。そういった意味では、誓約書があることで精神安定剤代わりにもなるんです。

また、将来、調停など裁判所での手続きでの離婚が必要になったとき、今回の浮気を原因のひとつにするかと思いますが、証拠がなければ不利になる可能性もあります。それを避けるためにも、文書にしておく必要があるというわけです。

浮気の誓約書には記載すべき事項がある

浮気の誓約書といっても「私は二度と浮気をしません」と書かれているだけでは、あまり意味がありません。調停や離婚裁判で有利になるような誓約書にするためには、盛り込んでおくべき内容があります。どんな項目を入れる必要があるのか、具体的にみていきましょう。

誓約書に記載する項目

誓約書を作成した日付

浮気に対する具体的な内容

「いつ」「どこで」「誰と」「どのような」浮気をしたのかを具体的に記載してもらいます。

浮気に対する謝罪文言

不倫や浮気は悪いことで、離婚や慰謝料を請求されるほど大きな責任問題だということを明らかにするため、謝罪の言葉を入れておきます。

浮気相手との接触禁止

異性と密かに会うことはもちろん、電話やメール、LINE、SNSなどあらゆる手段での連絡を禁止します。出会い系やマッチングアプリで知り合った相手との浮気の場合もありますから、これらを使って連絡を取り合うことも想定しておいた方が良いでしょう。

会社の同僚が浮気相手となると、会う&連絡を取ることを一切禁止するわけにはいかないので、業務上必要がある場合以外の接触を禁ずる形が良さそうですね。

浮気の定義の明確化

一口に浮気といっても、人それぞれ捉え方が違いますよね。「肉体関係があれば浮気」という人もいれば、「下心があれば2人きりで会うのはすでに浮気」と考える人もいるでしょう。夫婦間でその部分の認識がズレてしまっていては意味がないので、どこからを浮気と定義するのかしっかりと話し合って、誓約書に明記しておきましょう。

次に浮気をした際の慰謝料

浮気、浮気と記載をしていますが、パートナーが今回犯した過ちは正式には「不貞行為」です。

では、不貞行為とはどういう状況を指すのかというと「夫婦関係にある者が配偶者以外と性行為や肉体関係を結ぶ」こと。夫婦とありますが、婚約中だったり内縁関係にあっても、パートナー以外と肉体関係を結べば不貞行為となります。

不貞行為により精神的苦痛を受けた側は、被害者として浮気したパートナーや相手に慰謝料を請求できます。民法709条、710条、719条に定められている権利。次回、浮気をした際には「慰謝料」という大きなペナルティが発生することを、具体的な金額と共に記載をします。具体額は、不倫&浮気の回数、期間、子供の有無、離婚や別居など状況によって変わりますが、一般的には100万円~300万円です。

将来の状況が読めないなどの理由で具体額が書けない場合は「精神的苦痛に相当する慰謝料を支払う」といった書き方でもOKです。

ちなみに、1億円など現実的ではない金額を慰謝料として記載してしまうと、誓約書自体が無効と判断される可能性があるので気を付けて。

次に浮気をした際の離婚条件

今回は離婚せずに再構築を選んだとしても「2度はない」と考えている人も多いのではないでしょうか。誓約書で約束したにも関わらず、再度の浮気で夫婦の信頼関係が破たんした場合を想定して、将来の離婚条件について記載しておくのがおすすめです。

  • 離婚の申出に異議を述べない
  • 子供の親権
  • 子供との面会などの交流
  • 子供の養育費
  • 財産分与
  • 家の所有権
  • 車の所有権
  • ローン

その他の宣誓事項

浮気によって、一度は信頼関係が崩れてしまったわけですし、再発防止のためにもある程度はパートナーを監視しておくことが必要になるかと思います。日頃の生活態度や異性関係などに関しても、気になる点を話し合って決めておくと良いですね。

下記に一例を記載しておきます。

  • パチンコやギャンブルをしない
  • 風俗や性的サービス、キャバクラに行かない
  • 暴力や暴言を吐かない
  • 勝手に借金しない
  • 給与明細、クレジットカード明細を開示
  • スマホの通話履歴、送受信履歴を開示
  • 月に1回は夫婦で外食をする
  • 夫婦関係の再構築に努める

署名捺印

書面の一番最後に、パートナーの氏名、住所を記載してもらい、シャチハタ以外で捺印をしてもらいましょう。

離婚届にも署名捺印をしてもらおう

誓約書作成の際、同時に離婚届にも署名捺印をしてもらう方法もあります。

パートナーからすれば「離婚はあなたに委ねます」状態ですよね。あなたが決断すれば、すぐに離婚届が提出できるわけですから。今すぐ離婚を考えているわけではなく、あくまで再構築を目指したいという場合でも、離婚届に署名してもらっておくことで「もう次はないんだ」との危機感をパートナーに植え付けておくことができます。

浮気相手に対する誓約書はどうするか

不貞行為は相手があってのこと。共犯者である浮気相手に対しても誓約書を書いてもらって、関係を断ってもらうよう約束を取り付けます。前述したとおり「もう二度と会いません。ご迷惑をお掛けしました」などと口頭で謝罪をされても口約束に過ぎないので、書面に残すことが大切です。

もちろん、誓約書に反して再度浮気するようなことがあれば、より高額の慰謝料を請求と記載しておきましょう。浮気を繰り返すことは大きなリスクを伴うと把握してもらうことこそ、再犯のブレーキとなります。

ただし、浮気相手が既婚者となると話は別。いわゆる、ダブル不倫状態ですね。

ダブル不倫の場合、相手のパートナーとあなた自身は同じ「浮気をされた」という立場。あなたが相手に慰謝料を請求する権利があるのと同じように、相手もあなたのパートナーに慰謝料を請求する権利があります。最悪の場合、かなり泥沼化する可能性も高いので、慎重に判断をしてください。離婚まで想定していないのなら、自分のパートナーだけに誓約書を書かせましょう。

より強力な文書にするなら公正証書に

作成した誓約書を公的なものにしておきたいなら、公正証書化を検討することになります。

公正証書とは、公証役場で公証人(法律の専門家です!)が作成する公的な文書のこと。今回の誓約書を元に、法的な観点から書面を作成してもらえます。仮に、慰謝料を支払うとした内容だった場合、公正証書化すると支払いが滞った際は裁判不要で強制執行されるんですね。例えば、いきなり給料差し押さえになったり……です。

慰謝料の支払いを含む誓約書ならメリットが大きいのですが、今回のように「次やったら慰謝料支払いね!」「2度はないよ。また浮気したら離婚だから」といった将来の予定を記載した内容だと、手間がかかる割にさほどメリットはありません。

今回のようなケースで、誓約書の信頼性をより高める場合は、公証役場で私署証書認証の手続きをしておきましょう。公証人が「この誓約書は正当な手続きで成立した」と証明してくれるので、パートナーには相当のプレッシャーになるはずですよ。

まとめ

以上、浮気や不倫の誓約書の書き方について解説しました。

誓約書のテンプレートは、ネット上にたくさん落ちていますが、よりきちんとした形のものを作っておきたい場合は弁護士や行政書士に相談することをおすすめします。

参考までに、社団法人探偵協会が提供している法律書式のテンプレートを紹介しておきますね。

浮気発覚後の謝罪や約束事などを定めた誓約書テンプレート